ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0203_甘えると頼るの違い

マレーシアでの生活をして3ヶ月が経ち

その間に前任者の帰任や、大きなプロジェクトの

納品出張など、仕事一辺倒だった時間が過ぎた。

 

私が住むのはシャーラムという街。

ものづくりの拠点が多く、クラン港からも

ほど近い、関西人にとっては、大阪府堺市

例えると分かりやすいだろう。

※地理に弱い人は、それどこやっけとなり

  関空の近くといえば、あの辺か、となる点。

 

ともあれ、私がマレーシア駐在として充実した

エンジニアライフを謳歌したこの3ヶ月間には

日本人の登場人物が3人ほどしかいなかった。

 

1人はもう帰任した前任者の先輩、もう1人は

上司、あとは出張で来られタイでお会いした

日本人や髪の毛を切りに行った店のスタッフさん

などいるが、とにかく限定的だったのだ。

 

更に私の性格上、日本人がいなければ寂しい

というよりは、日本人がいると興ざめする

という観点があるので(避けていた訳ではないが)

とにかく地理的にも環境も日本人と縁がなかった。

 

現在は単身赴任だが、妻と2人の子どもに

マレーシアに移住してもらう計画を立てており

娘が幼稚園に通うことから、少しずつ

日本人との縁が芽生え始めてきている。

日本人会への入会や幼稚園入園の手続きを

調べたり対応してもらう相手は日本人である。

 

さて、海外で自分を磨くことに楽しみや喜びを

見つける私にとって、日本人が多くいることを

忌み嫌うこの性格が、何に起因するのか。

今回はその自己分析をしてみた。

 

ずばり、甘えるのが嫌だから。である。

 

甘えた考えや態度は自分を弱くすると考えている。

だが、日本人という逃げようのない関連性を

海外で待つことで、"甘える"気持ちが出てしまう

ことは、人間なので仕方がない。

日本人は優しく無害なので、甘えやすいのだ。

 

日本で起きたニュースを聞いたり、日本語を

話すことだけですら貴重な生活を送る上で、

頭の中から日本への甘えを完全に断つことは

思考を日本からマレーシアにローカライズする

ことにも繋がる。これをずっと続けると

日本人的な感覚は鈍化することもあるだろう。

 

そこで考えたのが、"甘え"を絶って"頼る"

という感覚だ。甘えは親や無二の友人など

受けた恩義に対して、とくにストレスなく

感謝の気持ちだけ持っていれば良い着想だ。

 

しかし、頼るというのは、頼った結果に

恩義が残る。区別すると頼る方が堅い印象になるが

ビジネスマンとして、また自分が持つ日本人像

を貫くエンジニアとして、頼ることが上手になれば

甘えを絶ったまま暮らせると気づけたのだ。

 

受けた恩義は時間がかかっても返す。その気概を

持っている人間同士の結びつきはとても強い。

 

「この世にタダの昼飯などない」である。

受けた恩義に忠誠を誓う気持ちがあれば、

むやみに他人に頼ろうとしなくて済むし、

これは頼ろうと決めて頼ったことに対しては

しっかり自分発信で恩を返す行動を取れる。

 

私はこれから家族を日本からマレーシアへよこし

会社の方や地域の方、現地の知人などから

家族の困りごとや日頃のコミュニケーションで

日本人に頼ることが必ず発生してくる。その時は

甘えずにいよう。しかし、頼りたい。

 

人間の幸福の連鎖は、恩義が大切だと私は

感じている。パソコンの前で人間じゃなくても

できそうな"作業"をするのが毎日の"仕事"なら

それは幸福の連鎖を引き寄せることは難しい。

 

私はものづくりの現場で働く。お客が機械を

求めてくれ、営業が注文を取り、購買が部品を

揃えてくれるので、私はものづくりができる。

 

ものづくりの中でも共に組立してくれるたくさんの

スタッフや、制御・電気工事をする技術者がいて

メンテナンスをしているフィールドエンジニアからは

現地での細かい運用に関してのフィードバックを

受けることができ、一丸となって良い機械を

作っている。それは当事者同士が頼りあって、

"良い機械が良く稼働する"という恩恵をみんなで

共有する成果に繋げているのだ。

 

勤め人であれば、仕事をする時間が生活の中で

最も長い時間となるだろうから、いかに甘えた

考えなしに、"得られる恩恵に対して、人に頼られ

自分も頼っているか"を意識して行動すれば、

生活の中での甘えも自ずと薄らいでいくはずだ。

 

甘えた人間は金を搾り取られるだけ。

漫画のナニワ金融道を読んでいてそんな内省に

結びついた週末の昼だった。

 

漫画は重いので持って来られなかったが、

クアラルンプールにある日本人会の料理屋、

「日馬和里」にたくさん漫画がおいてあった。

家族が来るまでは、日本食を頂き、のんびり

漫画を読める。…これは甘えさせて頂こう。

 

マレーシアにいながら安価に日本食が食べられて

日本の漫画が読める、こんな甘い週末はない。

日本そのものに有り難みを感じることができる。