0021_アイデンティティとは
自己分析、他己分析、偏見など
人を見て何かを判断することは
生活する上で頻繁に起こることである。
今回は人を見る際の、アイデンティティと
について、考察し述べていきたい。
まずは、実際にあった体験談について紹介。
私が社会人一年目に入社した不動産会社で
新人営業としての研修を受けたことがある。
その際、あまり親しくはないが研修を通じ
仲良くなったKさんという女性がいた。
Kさんは髪の色をやや茶色くして、
タバコを吸ったりレゲエを聴きたりする方で
一見して「ギャル」と分類される性格だった。
私も初見は、性格の明るいギャルかなと
思って接していたが、要所で気になる点があり
ギャルでは間違いなさそうだが、教養があって
深い知識との結びつきがありそうだと
感じた。昔から妖怪が好きだとか、読書好き
だとかいうことを聞き出せたためである。
結果、おそらく育ちの良い方で
私よりも教養のベース(家庭環境)はしっかり
したなのだろう。という考察をしていた。
研修の中で、私とKさんに、ベテラン社員の
Sさんが同行し外回りをする日があった。
Sさんは短髪の茶髪で、今時珍しいと感じる
度付きの曇った色合いのメガネをかけ
ネクタイをゆるめに結び胸元が見えている。
私は彼とはとくにやりとりがなかったが
どうやらこのSさんは、Kさんの風態を
気に入ったようで、昔からの知り合いだった
かのように接している。髪の色やタバコを吸う
などでまぁいわゆる、似た者同士だと
思ったのだろう。しかしKさんはというと
馴れ馴れしいし、ギャル扱いされてと困る。
と思ったらしい。昔捕まったことあるか?
なんてことも聞かれたらしく。私は聞かれ
なかったために笑った。そんな体験をした。
ここでアイデンティティの説明がつく。
まず私と先輩のSさんは見た目の中身も違う。
それを前提にして各人がKさんをどう見るか
その見方こそが、私とSさんのアイデンティティ
ということになる。アイデンティティとは
自己同一化、と日本語訳される。
このジコドウイツカという言葉自体、
日本語の中で使われることが少ないために
馴染みがなく、分かりづらい言葉である。
私の"この人のどこかに教養の泉がありそう"、
Sさんの"悪いことした経験がありそうだ"。
同じ人物でも、自分と似て〜〜なところが
ありそう。というのが自己同一化である。
ちなみに、出身地が自分と同じではないか
という見方は比較的簡単にできるが、
全くゆかりのない地の出身ではないかと
自己同一化するのは難しい。
つまり、住む場所、仕事、趣味など
たくさんの経験値があるとその分だけ
多様な自己を持ち、自己同一化ができる。
その経験値と見てきた数が乏しい人は、
偏った見方や、人に興味関心が湧かない
ということにもつながるだろう。
確固たるアイデンティティを確立するには、
一つの道、見方を長く極めていくのも良いが、
外の様々な世界を見て、視座を高めていくこと
もきっと多様な世界で多様な出会いを
享受できるであろう。私はそうでありたい。