0133_ 平成最後の関西空港利用手引き②
関西出身マレーシア駐在の33歳機械工、
DAZAIFICが惜し気もなく公開する関空の
正しい使い方の記録、第二弾。
出国手続きまでの過ごし方ついて。
★1 チェックイン
原則私はウェブチェックインをしない。
旅の前ののんびりできる時間を、パソコンや
スマホで操作するのが面倒だからである。
例外は、預け荷物がない場合だ。
預け荷物がなかったら、そのまま搭乗券を
空港内の端末や自宅のプリンターなどから
受け取れるので、その場合はウェブチェックイン
をすることにしている。
荷物の多い旅つまり長旅は出発までに
最大限のエネルギーを要し時間の余裕も
たっぷりと用意するよう心がけるのだが
身軽な旅なら、空港の入り時間などは
離陸二時間前ちょうどに設定しておくのだ。
何事も時間を費やす価値があるかどうかで
ものを見るたちで、更に事務仕事が苦手な
私にとって、ウェブチェックインは苦である。
一生懸命神経を使って行っても、何の作品も
生み出せないので苦に分類されてしまうのだ。
それをするよりも早く空港について、
5分でも10分でもゆとりを持って座ったり
人の流れや新しくできた店舗を観察したり
読書をしたりして過ごす方が学びがある。
チェックインカウンターでの人間観察を
楽しむのも、共有したい私の趣味の一つである。
癖なのだが、"仕事が出来る人"探しをしてしまう。
"仕事が出来る人"は他人の目の動きに真剣に
気を配りつつ、目から手、荷物、足元と
全ての人間の動きに対応できるよう目を俊敏に
働かせる。カウンターで働く人は皆優秀な
国際人であるはずだが、その中でも荷物を
運んでばかりの人や列を裁く人、発券する人
などポジションは様々だ。更にはキャリアの
サイクルが比較的早いだろう航空業界で、
ある種はっきりと存在している序列。
それも私は列に並びながら観察する。
一番経験と判断力を兼ね備えている人に
できるなら自分の発券処理を願いたいのだ。
簡単にやり方を言えば、ランダムにスタッフ
のことをじっと見る。私の視線に素早く
気づく人は勝手に出来る人と認定するのだ。
目の前の作業がある方はもちろん手元や
お客さんを見ているが、発券機の動作時や
お客さんが荷物を乗せる僅かな隙に次の客や
隣のカウンターなどに視線をよこす。
ほれぼれするほど守備範囲が広いのだ。
たまに荷物をコンベアに乗せている男性が
一番後ろの客まで目を配っている事もある。
そうなれば最強の外野手を従えた投手のように
カウンター作業者はバリバリ目の前の客を
捌けば良くなるのであろう。
私がやりたいのはどちらかといえば
列を裁く人やコンベアの上で荷物を裁くなど
援護系のポジション、座りっぱなしは退屈だ。
★2 手荷物検査
次に手荷物チェックのあるエリア。
関西空港には1.2.3と三つの入り口があり
3が一番空いている。連絡橋側の空港入口から
一番遠いのでせっかちでない人はそこまで
わざわざ歩いていかないのだろう。
私には毎回ここが旅の初日のハイライトだ。
X線検査は毎回ドキドキさせられるし、
前後の人がどんな人なのかは運で決まる。
なるだけアジア人のビジネスマンの群れに
混じるようにしているのは、映画UP IN THE AIR
(邦名、マイレージマイライフ)の中で
表現された通り。家族づれの軍団は要注意だ。
※要注意というのは、コンマ1秒でも足を
止めたくないという人にとっての注意である。
実情は、どの時間帯もアジア人旅行者が多く
なかなかビジネスマンの群れなど見ないのが
平成の終わりの関空の景色であるが。
X線を早く通過するためには、そのエリアに
いくまでに腕時計やベルトやポケットの中身を
空にし、ポケットの中は搭乗券とパスポート
だけにしておくことが理想的である。
見事に止まることなく通過できた時に使いたい
LINEスタンプ「Xray通過!」は旅仲間に
送るのに良いスタンプだ、DAZAIFICとして
販売しているので一度使ってみて欲しい。
さて、Xray通過には金属類を外すことや
パソコンはカバンから出すことなどルールが
あるが特筆したい注意点がある。筆箱だ。
今まで何度も筆箱で荷物検査されてきた私は
これについて経験が豊富である。筆箱自体は
何でも良いが、ハサミやカッターは没収だ。
基本はさておき、以下は技術者向け情報だ。
15cmを超える金属も原則没収される。
ちなみにプラスドライバーなどを例として
持つところとシャフト部とが別れた道具は
シャフト部が6cmを超えると無条件没収だ。
そんなルールを研修等で学ぶ仕事があると
考えると恐ろしく感じるが、それがルールだ。
そしてそのルールは、国よって異なる。
先に述べた15cmルールは韓国では10cmだ。
私が今まで別れを告げてきたスパナや細い
マイナスドライバーたちの供養の意をこめて
ここに記録しておきたい。
もともと、工具は全て預け荷物にするのが
基本であるが、客先で出発するぎりきりまで
細かなメンテナンスを施そうとすると
ついついポケット中や手持ちのカバンの中に
数点の実用工具を残してしまう。それは
没収されると辛いので、道具は預け荷物に
間違いなく入れることを習慣にしたい。
15cmとか10cmとかいったことが要点でなく
一番大切なことは、バッグの中を乱雑に
しないことである。X線検査は検査装置を
人間が(恐ろしいことまでに優れた日本人が)
使って検査を行っている。検査対象が
ある容器内でパンパンになっていると、
検査対象物が重なり、怪しく写る。
人間が判断できるように、バッグや筆箱の中は
スカスカでなくとも、せめて内容一つ一つの
姿を機械が検知できるよう配慮すべきだ。
細いマイナスドライバーは過去に何度かは
検査にひっかからなかったこともある。
前は行けたのに今回没収なの?という
経験もあるが、そうなればゴネても無駄だ。
検査員の良識や鋭さをどう発揮させるかは
こちらに主導権があると考えられるのである。
★3 イミグレーション
最後に、自動化ゲートについて。
時間に余裕がなくても税関の自動化ゲートの
登録はしておくべきである。空いていれば
所要時間30分ほどで済ませることができる。
旅好きな人ほど、パスポートにスタンプを
押して欲しいから自動化ゲートはあまり…
と言うが、時間帯によってはこのスタンプ
のためにかなり並ぶことがある。
ならんでいる時間も有意義なら良いが。
ただぼーっと荷物を持って待つのは辛い。
せっかく最速の乗り物に乗るのだから、
乗るまでも最速に挑戦するのが私の嗜好だ。
自動化ゲートといえば、イミグレーション
(税関)にて、出国の判子を押してもらうあの
エリアにあるものだ。今現在、自動化ゲートは
顔認証システムが導入されており、関空には
ゲート数も8か10か、たくさんあるので
長蛇の列はできない。どうしてもスタンプで
旅の記録を残したいなら、顔認証の後に
スタンプを並ばずに押してもらえるので安心だ。
★最後に
ここまで読んで頂いた方にどのように
受け取られているのかわからないが、
私の旅の楽しみ方の緩急はかなり幅がある。
目的地に着けば自由に、のんびりが基本だ。
しかしながら遠くへ行こうとすればするほど
空港やタクシーやホテルなど多くの人が
利用する場所を経由して行くこととなる。
人混み向いてないとか自分はどんくさいとか
常識がないとかいったことに10代で悩んだ
私の逆転の発想は、とにかく、楽しむことだ。
どんくさかったら次はどんくさくならないよう
自分なりに工夫すればいい。常識がなければ
空港の中で世界の常識を研究するまでだ。
何百回も旅をしていれば、DO or DONT
(せなあかんとと、したらあかんこと)
は少しずつ見えてくる。何百回も何千回も
旅に次ぐ旅、失敗に次ぐ失敗を重ねるのだ。
平成最後の関西空港利用手引きは
次回の③でゆるく締めくくりたい。