ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0081_生産管理VS現場作業員

愚痴は同胞と飲みに行くのでなく紙に書け

と、VOICYのサウザーラジオで説かれている。

 

理由としては、愚痴を周りに言うと気が晴れて

しまい、逆に紙に書くと自分(紙)を相手にするので自然に問題解決に自分から取り組もう

という姿勢になれる。という話だった。

 

私はそれを聞いて、毎日ほぼ誰も見ていない

ブログなのだから、ここで自分の愚痴を書き、

建設的に問題と向き合って行こう。と決めた。

 

生産管理部門に60歳過ぎたG氏(男)が3年前に

転職して来て以来、製造現場の改革と銘打って

知りもしない現場のさまざまな問題に

メスを入れているからの活動内容について

愚痴というか、疑問が鬱積している。

 

職場である製造現場では営業や

メンテナンスの仕事と違い、基本的に対人

関係を幅広く構築することを求められない。

職人気質な人間が多く、機械の組立や調整など

ミスなく早く仕事ができてこそ、人格者だ。

 

逆にコミュニケーション能力が高くても

ミスが目立ったり、後工程に配慮がなかったり

すると、あいつは口だけだと悪評価される。

的確にルールに沿った動きができるかどうか

他の部門よりもかなり強い同調圧力がある。

 

製造現場の環境や仕事の忙しさには、

自分が適合しているので、不満は何もない。

嫌だなと思うことは自分で改善していける。

 

ただ、現場での仕事をわかっていない者が

これではダメだと人を納得させる理屈も経験も

なく、改革に携わるのに違和感がある。

 

今回私の愚痴の対象となるG氏は相対的に見て

コミュニケーション能力一辺倒な様子である。

愛嬌たっぷりの表情や小商いのような物腰の

柔らかさは初対面では好印象だが、

技術的な相談には乗ってくれない人だと

入社後たちまち彼が素人だと技術者達は

認識し、距離を置くようになったのである。

 

現場作業の経験がないから嫌なのではない。

改革を推し進める上での活動の根源となる

情熱が感じられず、また現場の問題点と

改革後の成果がいずれも"定量化"できて

いない状態で改革を図っているから嫌なのだ。

 

無駄をカットするということは大切だ。

しかしランダムに無駄がないか現場を

徘徊し、作業者に声をかけて手を止めさせ、

更には改革そのものの現状すら数字で

語ろうとしない。生産管理の立場ならば

少なくとも数字で納得させて欲しいところを

何の根も葉もない写真と文字情報びっしりの

資料を作った上で、これを読んでほしい、

と言ってやって来る。現場はかなりこの行動に

疑問符を持ち続けており、当人も話を聞き入れ

てもらえない様子にご不満な態度を取られる。

 

あの人は誰のために何がしたいんだろう。

というのが私側から見ていて持つ感情だ。

 

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一週間後

 

ここに書き残す前に何か具体的で建設的な

自分の行動に移したく、例によって作業中の

私に質問に来たGさんに言ってみた。

 

"あなた自身が一度簡単な仕事でいいから

現場の一連の作業"を担ってみてください。と。

 

そこそこ立場上お偉い方なのでムッとした

表情を持たれたのは、瞬時に分かった。

しかし、Gさんのためを思っての発言だ。

 

その直前に開かれた会議の中で彼は

「問題の本質を全て書き出して、それに対処

できるよう、全ての作業を定義化してみては

どうか」という提案をされたばかりであった。

 

現場作業者達は品質・作業マニュアルで

大前提の技術は体得しているし、作業個別で

継承しなければならないものは各自、

(トヨタでいう)標準書のようなものを作り

それで現状上手く回っているのである。

抜けや漏れはあるがだんだんと資料の量と質

更には難しい作業には改善提案を出す。

というよい循環が生まれつつあるここ数年。

 

そこに現場の流れを理解しようとすらしない

新参監督者が現れ作業の定義化と言っても、

誰もうまく相手にできないのである。

 

私は簡単な製品でもいいから自分で作ってみて

そこからワークフローなり作業環境なり

賢い頭で問題の本質を明らかにすれば良いと

思うのだが、いつまでも事務所の奥に座って

定時時間一杯にいつ公開されるのか分からない

各種資料のたたき台を作る様子は変わらない。

 

私の手の差し伸べ方が悪かったのは分かる。

しかし私なりに善処した気持ち良さはある。

 

この話が続くのならば、Gさんが何かしら

がむしゃらに現場から数字をはじき出した

様子を見た時か、本当に作業現場の問題を

打破して収益を上げる情熱を周りに伝える

ことに成功した時だろう。期待したい。

 

部下がついてこないとか期待する成果が

上がらないとかという現状でお悩みの方は、

是非、身近な数字を徹底的に追いかけて

その数字で以って現場の問題点を分析し

分析結果を周りに共有することで周りを

鼓舞したり、統率したりして、チーム全体を

良い方向に先導して頂きたい。