DAZAIFICの、ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0164_アシックスの安全靴②

アシックス安全靴についての経験と夢の記録。

 

マレーシアの製造の同僚にザクという男がいる。

歳は26歳かそこらの、優秀な機械工だ。

非常に機械組立の理解力が高く、また主体的で

何でも言わなくても自分で理論立てて作業を

進めるので、こちらが学ぶこともある。

 

彼と私は以前に4ヶ月がっつりともに働いた

ことがあり、プライベートでの交友はないが

仕事上ではかなり親密な間柄である。

 

さて、私がマレーシアに約一年不在にし、

そして赴任によってマレーシアに再来した時、

彼は私に用意されたロッカーのそばに私の青色の

アシックスを綺麗に揃えて置いておいて

くれたのだ。私はいたく感動した。

 

この青のアシックスは私が2014年に九州で

フィールドエンジニアをした頃に購入したもので

そのあと4カ国の出張もともにした、いわば

捨てられない靴である。ひどく汚れているが。

 

それは2018年にマレーシア出張が終わる際、

またこの工場で仕事をする日が来るだろうという

(厚かましいが)思いを込めて何も言わずに

置いて帰ったのだ。もしかしたら捨てられる

かもしれないが、と気付きながらも。

 

一年後の再訪でその靴が残っていたことが

本当に嬉しく、また、ザクから「貴方の安全靴、

私がロッカー横においておきましたので」

という歓迎を表す言葉を貰えたのが

更なる感動を与えてくれたのだ。

 

ところが、その後に面白い出来事を知る。

私のアシックスは、ザクがずっと履いていたらしい。

 

先日のタイ出張で一緒になった別部門の方も、

マレーシアでザクとともに長く仕事をした日本人の

先輩も、ザクが私のアシックスを勝手に履いている

のを目撃し、笑っていたようだ。

 

ザクは私がくれたことにして勝手に履いていた。

それが面白い。律儀で信心深いムスリム

日本人の靴を勝手に履くという、しかも

私のアシックスはサイズが29なので、

どう見てもザクが履くにはデカすぎる。

 

そこまでして履きたいか、アシックス。

タイもマレーシアもオニツカタイガー

スニーカーを履きたい意欲があり、

私の靴を見てそれいいねと言ってくるアジア人に

アシックスはオニツカと同じルーツだと伝えると

彼らは異様なまでに興奮するのだ。

 

そして8000円ほどの値段を現地通貨に換算して

見せると一気に意気消沈する。しかし、目の奥に

憧れとそれを選んで履く日本人への敬意は

決して失せることがなく、同じ話を何度もする。

 

さて、もう言うまでもないが私の夢は

アシックスをローカルスタッフたちに配ることだ。

 

彼らはボロボロの安全靴の下にボロボロの

靴下を履いているが仕事は真面目で、

ローカル部品はボロボロでも、日本人の

板金のバリ取りや磨き面に小傷をつけない

工夫を尊重して日本のものづくりのレベルを

目指している。経営者は何というか目に見えて

いるが、そんなことは私には関係がない。

 

むしろ生産性をあげて、収益性と成長性を

製造現場から醸成していくキーマンとして

私が日夜研鑽し続けるならば、アシックスを

配ることくらいは良い投資になるはずだ。

 

まずはアシックスの靴下くらいから

プレゼントするのがいいかもしれない。

 

私はTakerだ。いつも誰かに頂かなくても

自分で得にいくし、得たもので良かったものは

誰かに与えたくなるのが活動の楽しみなのだ。

 

ギブファースト精神、と澤円さんはVOICYで

何度も唱えられていらっしゃるが、

その精神は日本人の美徳の根幹だと思う。

 

ザクよ、もう少し待ってくれ。私が来たことで

私のアシックスを勝手に履ける機会は遠のくが

君のアシックスはきっと近づいてくるのだ。

ともに頑張ろうではないか。