ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0295_マレーシアの現在から思うこと

COVID-19という新型肺炎の世界的な流行により

移動規制や外出禁止令が多くの国と地域で

発令されている。東京オリンピック2020も

延期が決まるなど、ただ事ではない様相の

暗い未来が訪れている印象だ。

 

日本はやや、対応がマレーシアより早かったことや

1.2月に流行のピークがきたがその後に春が来た

という日本的な雰囲気も相まって、

"自粛ムード"に留まっている。

 

マレーシアはそうではなく、異常事態だ

ということを記録しておく。家族がその異常の中で

生き抜いた証として。

 

マレーシアでMCOと呼ばれる活動制限令は

世帯から1名のみの外出可、子どもは外出禁止。

スーパーは入場規制がかかっており(感染者急増

が懸念される)人混みを作らないように

工夫されている。無論マスク着用は必須だ。

レストランは持ち帰りのみ可能で店内飲食禁止。

 

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町の小さな商店ではすでに供給が滞っており

パンやパスタなど加工食品が品薄だ。

トイレットペーパー買い占めは一旦起きたが

その後安定供給されているように思う。

 

パンを売るための棚に「一家族一点のみ」と

手書きで書かれた看板を見た。災害時同様の

影響が各社に出てきている。

私の勤め先も休業が続いている。

 

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外国人労働者と思しき若い男たちが、

開いていない店の前で何か書類を渡されて

30名ほど路上に立ち尽くしていることを見た。

 

おそらく、洗車場で働いていた労働者たちが

休業または廃業を告げられに集められたのだろう。

 

私は馴染みのある中華系の食堂に足を運んだ。

いつも会計をしてくれる大柄な男に会って

事業や家族の無事を確かめたかったのだ。

 

その男と会うことはできなかったが、

真っ当に美味しいものを提供し続けてくれた

その恩を返したいという気持ちを表したい。

 

とにかく、今は外出という行為がリスクであり

ルール破りでもある雰囲気だ。住んでいる

コンドミニアムの敷地内ですら、朝子どもと

散歩していると、「STAY HOME」と

他の住人に釘を刺されるような始末。

 

天候や住環境は好ましく、幸せだが、

今人々を取り巻く異常事態の環境はとても

不安やストレスを溜め込むものでもある。

 

電気もガスも水も止まる最悪の事態も想定しつつ

落ち着いて対応していきたい。こんな時に

交通事故にあったり、悪い話に騙されたり

することがないように。

 

今の現状から見えてくることが明確にある。

それは、これはただごとではない。と

気がつくタイミングが人によってまちまちだ

ということだ。余計な情報の収集は無駄だが

"友人や社会への配慮"はいつも最重視すべきだ。

 

私には5歳の娘がいて、私が単身赴任の期間に

肺炎で入院したことがある。その時の、

原因は風邪をこじらせたことだったようだが

実家から離れた街で5歳と、さらに乳飲み子を

一人で育てた妻、幼い我が子たちの生活負担が

おそらく病気に導いたと深く反省をした。

 

何より病院で健気に呼吸器をつけて

トイレや食事を不便そうに行う当時4歳の

娘の姿は平和な日常の中でも忘れることはない。

 

私には、その"娘の呼吸器姿"の経験がある。

COVID-19が国際社会で認知され始めた

1月ごろに私は家族で旅行をした。それは

確実に認識が甘かった。若い自分たちなら

感染しても死に至るほどではないだろう、と。

 

その後、マレーシアは閉鎖の措置をとり、

仕事も社会のシステムも停止し、ニュースから

日々深刻になっていく感染拡大の知らせが来る。

 

そんな状態になり、また実際に亡くなった方の

物語の記事に触れ、今は「自分たちがいかに

誰かに感染させる媒体にならずにいられるか」

だけを考えている。これを共有したい。

 

そして、病床で働く多くの方々に心から感謝し

再び平和が訪れた後そんな方へのお礼を込めて

今まで以上にいい機械を作れるエンジニアに

自分はなりたい。

 

働きたい内容があっても、それができない期間が

続くことは、とても虚しく、社会に申し訳ない。