0080_義理チョコ論争について
バレンタインデーまであとひと月ほど。
学校や交友関係の中で、チョコレートの
受け渡しのやりとりを見聞きするのは新鮮だ。
社会人のバレンタインデーは味気ない。
友達のような関係が持てる職場は理想だが、
馴れ合いが良い思い出となるのは経験上、
20代中頃までである。それ以降は友達同士より
プロ同士の関係が生活の基盤となっていく。
プロ同士の恋愛関係も、プロ同士の営業目的
での義理チョコもありえるだろうが、純粋な恋愛の動機でチョコを渡す、もらう機会は減る。
もちろん本来の感謝の気持ちを込めて
一人一人手渡しをされる方は尊い。
では、個別での、または組織内でのチョコの
受け渡しから離れ俯瞰して、日本国内でこの
バレンタインデーがどうなっているか
考えてみたいものである。
ワールドビジネスサテライトの特集で、
バレンタイン特需を後押しするなどし、
2018年度売上が120億円だったと報じていた。
ブラックサンダーは美味しくて安い。
安くて美味しいものは配りやすい。
義理チョコ文化を応援しており、成果にも
結びついている。しかし、他方ではGODIVA
のように、義理チョコ文化そのものに
是非を問うような広告もあったようだ。
男性はもらう側なので良いとするのでは甘い。
女性の中にはお返しを見込んでいる者もいる。
そんはあざとい人いないだろうと私は信じて
いたのだが、職場で実際に聞いたのは、
入社一年目で一人の女性スタッフが全営業
男性にチョコレートを配り、ホワイトデーは
個別でお礼を受け取っていたため、かなり
高額な見返りをもらっていた、と。
それが妙な噂話になり私もその事を耳にした。
さすがにその圧倒的なお礼の大きさに気を
遣って2年目はやらないだろうと思ったが
2年目もされたと。前年の出来事を知っていた
営業男性陣は、2年目はまとめて一つの
ホワイトデーのお返しをしたところ
3年目から何もなくなったとの話。
聞いていて気の毒だなぁと思う一方で、
やはりプロ達が揺るぎない数字や技術を
追いかけている場であざとい真似はしない方が
無難なのだろうと他人の失敗から学ぶ。
あざとい気持ちがなかったとしても、
客観的にあざといと見られては損だ。
この話は営業職の中で起きていた話で、
私が勤めている工場ではまた違う問題がある。
女性は比率にして約15%ほど。毎年有志で
その"女性陣"からチョコレートが現場の
男性に送られるのだが、40名ほどの男性作業者
に対し、8人ほどしか座れない休憩所と
10名ほどしか入れない喫煙所にチョコが
一箱ずつ送られるらしい。私はいずれの場所
にもいないため、それを見たことがない。
いっとき経つと、ホワイトデーのお返しの
集金をしますと言って、一人当たり500円を
徴収し、誰かが代表して誰かにお礼をする。
自分が無関心なのことにも問題はあるが、
これが何のための行事なのかよく分からない。
中には声をあらげて500円は払わないと
豪語するツワモノもいるようだ。
物事を楽しむ力が弱い人に関わると
自分の時間を捨てることになるので
波風立てずに穏便に行くのがプロである。
工場で量産された食料雑貨と広告戦略に
お金と時間を費やして、なんだかんだと
消費合戦に巻き込まれる大人は見苦しい。
何を隠そう、2月14日は私の誕生日である。
誰もおめでとうと言ってくれなくても私は
満足に仕事して歳を取れる環境に感謝して
いる。
今年はブラックサンダーは義理チョコ戦線から
身を引き、お土産という名目で勝負している。
GODIVAはホワイトデーに広告を出す見込み。
消費行動を掻き立てる練りに練った企業の
活動なので、学びのために注視していきたい。