ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0101_敷地の中の家賃を考える

これは私独自の考え方、仕事術である。

 

工場での作業の仕事柄、ものを整理して

作業スペースを広く機能的に使うことは

誰からの指示もなくできなければならない。

 

身の回りがきちんと整えられているか、

定期的に持ち物の棚卸をして、不要な書類や

道具などに自分の道具箱や作業台が狭められて

いないか、作業の区切りごとに考えるのだ。

 

今回それを分かりやすく実践する方法として

"家賃を決める"という考えを提案したい。

無論、家賃収入を得ろという話ではない。

整理整頓や生産性向上のための提言である。

 

誰にでも分かるようにするためにあえて

家賃を用いて作業環境の改善を分かりやすく

捉えて頂ければ幸いである。賃貸物件を借りた

ことのある人もそうでなくても家賃についての

共通認識は似ているはずなのでポイントを

押さえておく。「良い場所は家賃が高い」。

 

では、良い場所とはどんなことか。

・駅が近い

・スーパーが近い

・住みやすい環境である

・新しく整地された場所である

など、便利で美しい場所ほど家賃が高額だ。

 

私はこの当たり前の感覚を応用して、仕事での

生産性を保つ行動を日々取っている。

 

例えば、目の前にパソコンのモニター、

モニターの下にキーボード、作業机は

引き出しが複数あり、必要な物を入れている。

一般的なひとりの作業スペースで例えよう。

 

最も家賃の高いところは、キーボード横の

マウスがあるエリアだろう。右利きの方には

キーボード右隣、左利きの方には左隣となる。

なぜここの家賃が最も高いかといえば、

手を使ってすぐに行動を移せるからである。

パソコンを使って仕事をする人にとって、

マウスは最も汎用性の高い作業手段となる。

まわりくどいため、例はこれだけにしておく。

 

私が行なっていることは、自分の作業する

工場の中にも暗黙の家賃が決まっていることを

イメージしているのである。例えば、

私が働く工場(敷地面40m×20m、天井10m)

には南側に大きな扉が三箇所あり、そこから

部品の荷受や製品の出荷が行われる。

ものの出入りが頻繁でかつ、ここから出て行く

製品に、入ってくる部品に、金銭的なリスクや

価値付けが深く関わるため、このエリアが

もっと高額な家賃のエリアとなる。誰の説明が

なくとも、この扉前に無用に物を置かないよう

みんな気を配っている。使わないものや出荷を

先に控えた機械などが扉の前を占拠する

ことで、何度も移動したり場合によっては

通路確保が不十分な環境となり誰かが怪我を

するリスクもある。動かないものは基本的に

壁側か北側へ移動されていく法則がある。

 

では、家賃の高いところでもあって良い

ものといえば何か。それはフォークリフト

台車、ハンドパレットなどの物を安全に移動

するために役に立つ道具たちである。

 

荷受された部品を床に直置きしないための

パレットや材木も高額家賃のエリアに居続ける

ことができる。必要で、役に立つからだ。

 

先の例で事務職の方にとって最も家賃の高い

ところはどこか、引き出しの1番手前である。

ここによく使うメモ用紙や筆記用具、電卓

など工場の例と同じように、必要で役に立つ

道具類が我が物顔でいることを許される。

 

一分一秒のロスを、100円10円の無駄な出費を

抑える根性を持つ者なら誰に習うこともなく

そうしているだろう。この記事の目的は、

1番手前によく食べるお菓子を置いている

貴方は負けですと告げることではない。

棚卸の重要性を訴求したいのである。

 

最もよく使う道具や、効率の良い作業動線は、

仕事をする中で変化し続けるものである。

モニターの角度や照度なども、状況によって

気分によって最適な数値は異なるはずだ。

 

その点検を日常的に行うのが私の流儀だ。

家賃の高い場所にある自分の中での精鋭たち

に、気配りはできているかどうか。

また、良くて続けていると信じている

自分のルールや価値観が、旧態依然・思考停止

と周りから言われるような陳腐な内容ではない

か、など危機感を持って自分の仕事にまつわる

(物質的な)ものについて整理を進めたい。

これ、どんくさくないか?といつも問うのだ。

改善はそこからいくらでも手を当てる。

 

ちなみに、私は会社から貸与されている

パソコンのデスクトップ画面はカレンダーに

しており、フォルダや使用するソフトの

アイコンなどは、画面の20%ほどに納まる

ように常に整理している。

 

ものづくりに関連する、電子データ類の

整理整頓については別途一つの記事にしたい。