ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0279_CASIOの腕時計F-91W

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仕事やアウトドアで使う腕時計で、

Gshockをマレーシアでは一番多く見る。

私もマレーシア出張・駐在で多くの

マレーシア人の若者がこぞって

Gshockに憧れ買い求める姿を見て

自分で買ったしプレゼントでももらった。

 

しかし、最も実用的な腕時計は

CASIOのF-91Wだ。薄さと軽さと

飾らない姿が気に入っている。

かなりハードな組み立て作業で油まみれに

なることもあるし、勢いで仕事終わりに

プールで泳いで遊んだこともあるが

今のところ約3年間電池も変えずに

順調に私のために時を刻んでくれている。

 

腕時計の紹介はこれまで。

 

今回記録するのは、この時計にまつわる

嬉しい出来事だ。私が最初は自分の弟子として

大事に育てたつもりで、いつの間にか私より

技術力も人としても格上だと、気づき

あまり簡単な仕事を頼まなくなったほどの

腕の立つ(そして私より5歳ほど若い)

マレーシア人技術者がいる。

 

彼は、厳格なムスリムで、断食中に

私が昼休みにコーラを飲むのを黙って

車で眺めていたが断食が開けるまで眺めていた

ことを黙っていたほど、甘えのない強い男だ。

 

そして大の日本好き、頭がいい、

力が強い。エレクトロニクスやソフトウェアにも

強い、ゲーマーだ。文句のつけようがない。

 

彼とは、彼自身が難しい仕事を私の指導なしに

ばんばんこなすようになっていってからは

あまり私と仕事中に話すことが減り、

何となく寂しい気がしていたのだった。

 

しかし、どうしてもできる人の手を借りて

行いたい作業があり、勇気を出して私は

彼に手伝ってほしいとお願いしたのだ。

もちろん快く、今すぐ手伝うよと自身の作業を

止めて手伝ってくれたのだが、技術力的に

彼にその作業を主としてやってもらうか、

私があれこれ指示を出しながらやるのがいいか

一瞬、悩んでしまったのだった。

 

しかし私から手伝ってと言ったので、

そのまま私があれせい、これせい、と言って

彼を少し前のように弟子のように使ったのだった。

 

ありがとうねと丁寧にお礼を言った時、

作業開始時に私がすぐ気がついたことを

指摘した。彼もF-91Wの同じ黒を腕に装着して

たのであった。彼ははにかんで、

これは同じチームの証だよと言ってくれた。

 

ローカルスタッフとの接し方は、

特に悩むほど難しいことではないが、

相手が優秀であればあるほど、どんどん

新しいことを教えてあげないと、向こうが

(頭が良くてすぐ仕事になれる分)退屈そうに

日々の作業を正確にこなすようにもなる。

 

そんな相手から歩み寄ってくれるのは嬉しく、

教えたいとか力になりたいとか作業のくくり

だけで捉えるのではなく、同じチームでいる

という普遍的な感覚のありがたさを再確認した。

 

私はこれが壊れた時のために予備の新品を

一つ持っている。私のが壊れても、彼のが壊れ

ても、その新品はどちらかが使えばいいから

と言って同じ時計を使う仲間としての安心感を

共有した。いい仲間は第一に見つけるものだけど

目の前にいるものと末長くいい仲間であるには

ちょっとしたきっかけづくりと喜ばせる

気概が必要だ。これからも続けたい。