ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0206_外食の未来、フードパンダ

日本でもその他の先進国でも、2019年は

外食配達サービス元年ではないだろうか。

日本の都市部で見られるウーバーイーツの

サービスは、マレーシアではより普及している。

 

業者はグラブフーズと、フードパンダだ。

2019年7月、私はフードパンダを初めて利用した。

そのつぶさな状況と所感を記録する。

 

フードパンダは、2018年に出張で来た時には

ほとんど見かけた記憶はなかったが、

2019年4月にマレーシアに赴任するやいなや

住んでいるシャーラムで、無数のパンダの

配達人が原付にまたがって街をいく姿を見た。

 

サービスの概要としては、フードパンダの利用は

はじめに携帯のアプリをダウンロードし、

アプリと自身の位置情報を同期させる。

 

次に"レストランを選ぶ"(これしか操作はない)という

項目から自分の好みのレストランを選び、

またレストランを選ぶとその中でメニューを

選ぶ。メニューが選び終わったら、

決済方法(カードか現金かなど)を選び、

最後に自分が運んでほしい場所を登録し、

あとはアプリ中に表示された目安待ち時間を

気にしながら待つと、宅配される仕組みだ。

 

ちなみに、利用は電話番号の登録が必須なので

旅行者はもしかすると不便するかもしれない。

 

午前中にスポーツでしっかり体を動かし

買い物をして帰る予定がスコールに合ったため

諦め帰宅。再び出かけるのが面倒になった私は、

夕刻にパンダを利用することを決めた。

 

マクドナルドやKFC、サブウェイなどの有名店や

地元の麺屋さん、ナシレマの店など田舎の割に

たくさんの選択肢があるのに驚いたが、まずは

オーソドックスなピザハットにしようと決め

サラミのピザと骨つきチキングリル4ピース、

ペプシ1本で合計25.3RMの決済だった。

 

ピザは10種類くらい選べたが、パイナップルが

入ったものとチリが効いているものが大半。

パイナップルもチリも入っているものもあり、

甘いか辛いかどっちかにせえと感じた印象。

 

特筆すべきは、配達先を登録する操作だ。

アプリ内では地図と、現在地を示すアイコンが

表示されており、自分はそのアイコンを動かし

登録するだけ、極めて手間がかからない。

日本のアプリなら間違いなく住所を文字入力

させられそうだが、視覚操作のみだった。

配達先情報にコンドミニアムの棟名や階、

部屋番号を入力し完了。支払いは現金にした。

 

アプリ内で表示された待ち時間は25分で、

実際に30分もしないうちに商品を受け取った。

ガードハウスまで来た配達人は私に電話をくれ

「やぁ、パンダだよ」と名乗ってくれた。

 

もう一つ、単なる思い出なのだが、

パンダの配達のお兄さんと、ガードマン(守衛)

がペアで来たことと、私がピザを受け取る様子を

写真に納めていたことだ。何で撮るねんと

笑いながら聞くと、ビルのマネジメントに

この様子をレポートしなきゃいけないとのこと。

 

意外に真面目な対応だなと感心したのも束の間、

あぁ、守衛が自分で出前とって隠れて食ってる

のが過去にバレたんだなとほどなく気がついた。

真相は知らない。私が疑っただけの話だ。

 

守衛を務めるのは大体ネパール人なので、

彼らに会うときに私がすでにビールを飲んでいても

彼らにそこまでドン引きされることはないが、

パンダのバイク配達人は人種が分からないため

気を害されると良くないと思い、ビールはピザを

受け取って彼らが帰ってから飲み始めた。

 

やる気のない平日の晩御飯は野外の屋台で

手短に済ませるのが私のルーティンなのだが、

25リンギットで家まで届けてくれるのは大変

ありがたい。ピザもチキンもホカホカだった。

これは外食の新しい形だと改めて再認識した。

 

クレジットカードを使い、また25分かかることを

先読みして帰宅前に手配をかけておいて、

職場から10分で帰宅し、シャワーを浴び、さぁ

ビールの缶を開けようというタイミングでピザが

自宅に届く、素晴らしい動線を演出できそうだ。

 

その後は特に片付けも支払いもなく、

自分の余暇をフルに使うことができるのだ。

 

決定版メニューに出会うまで、

何軒か試してみよう。麺はやめておいたほうがいいと思うが、焼きそばならもしかすると

暖かく美味しいものが届くのかもしれない。

 

ドアの向こうで料理したり運んだり

アプリがダウンしないか管理したりしてくれる

人間が沢山いる。その便利さはお金では

買えない。みんなが担う美しい文化だと感じた。

 

元々マレーシア人はジャンクフードを平気で

晩御飯にするし、家で食べたいという欲求が

中華系やインド系よりも強い気がする。

家の方が簡単に手を洗えたりするからだろう。

 

ともあれ、有難い文化には甘えつつも

お金と時間を豊かに使える嬉しさで以って、

余暇にも生産性をもたらし、うまく行けば

身近な誰かを喜ばせる時間を捻出していきたい。