DAZAIFICの、ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0117_技術者達の愛くるしいルーツ

勤め先のメーカーの製品である機械の中に

「中敷き投入装置」というものがある。

これは、段ボールケースの中に包装される

商品群の段ごとに敷かれる段ボール製の中敷きを

ローラーを使って段ボールに投入する装置だ。

 

まぁ、それは主題とは関係のないことなのだが。

 

その装置は投入高さの微調整のために、

黒い硬質プラスチック製の、直径20cmほどの

ハンドルを使用することになっている。

 

開発部門からの設計変更指示が出たため、

既存機についているハンドルを外し、

交換品のハンドルを取り付ける仕事をした

後輩のJ君は、既存機についていた直径約20cmの

ハンドルが産廃として捨てられることを残念に

思い、すぐ近くにいた2年上の先輩F君のもとへ

そのハンドルを車のハンドルのようにぶんぶん

腕の中で回しながら行ったそうだ。

(もちろん業務時中なので節度ある程度に、だ)

 

F君もそのハンドルが産廃になることを

非常に残念に感じたそうで、しかしながら

そのハンドルは他に使い道がないので

捨てる以外に道はないと諦めたのだった。

 

J君は昔遊んだおもちゃのカートを、

F君は百貨店などでみかける、自販機の

ポップコーンマシンに付いているハンドルを

それぞれ思い浮かべて、懐かしみながら

幼い頃に回したくて仕方なかったあの

ハンドルを捨てるのは大人になったなと

感慨にふけっていたそうだ。両者とも

年齢は24歳と26歳。若いとはいえいい歳だ。

 

私もそのエピソードトークを聞きながら

娘がついこの前に嬉しそうにキティちゃんの

ポップコーン自販機についているハンドルを

とても幸せそうにぐるぐる回していたことを

思い出し、うちの娘にあげたかったなと

思ったりもしたのだった。

 

J君が産廃置き場に向かっていたところ、

2018年の4月に入社したM君、19歳が

真っ黒なハンドルを持って歩いてきたJ君を見て

「先輩、どうしたんですか?それ…」と。

J君は19歳のM君に興味本位で尋ねた。

これが何のハンドルか知っているか?と。

正解は最初に述べた中敷き投入装置である。

 

M君は、嬉しそうに言った。

アンパンマンのポップコーンのやつです。」

 

みんな、幼い頃からメカニカルなものを見て育ち

純粋な人間ほど、回るとか動くとか単純で

分かりやすいことに感動を持ったまま大人になる。

 

機械エンジニアの中にもプラモデルは

やったことがない人間もいるが、その代わりに

バイクやラジオをいじったとか、木で椅子を

作ったのが楽しかったとか、何かしら幼少期に

手で物を作ったり動かしたりした経験がある。

 

それがなくても立派なエンジニアにはなれる。

しかし、私が気づいたのはやはりいつになっても

回るとか動くとか電気で光るとか。

そういうことに嬉しさを持てるのだ。

 

かつてアンパンマンのポップコーンに喜びを持って

ものづくりの世界に飛び込んできたM君なら

きっと立派な中敷き投入装置を組み立てるだろう。

 

やはり動くものを作るのは、楽しい。

それを仕事にできることに感謝して

毎日楽しく仲良く働ける仲間がいることは

私にとって代え難い財産だと再認識した。