ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0216_海賊に気をつけろ

マレーシアのマレー半島南部にて発生した

海賊に襲撃された韓国船籍のニュースを

在マレーシア日本大使館より2019年7月中頃に

メールでの知らせとしてわざわざ頂いた。

 

マレーシア自体はとても平和でかつ

私が暮らしている住居はコンドミニアムといい

ガードハウス(守衛)つきの集合住宅なので

とくに日常で治安について恐ることはない。

大事な大事な敷地のセキュリティカードを

うっかり落とした時も、守衛が預かってくれて

帰宅した私に落としてたよと渡してくれたほど。

 

しかし海に出ると悪い人間もいるのだろう。

職場のローカルスタッフの曰く、海賊には

いい海賊と悪い海賊がいて、分布は不明だが

悪い海賊は誘拐を目的としているのでたちが悪く

いい海賊と言っても悪いやつを退治したりせず

無害なだけの、ホームレスのような海賊とのこと。

腹が減ったりすると襲ってくるかもしれない。

 

今回は単に海賊が出る国マレーシアの紹介

だけではなく、海賊の存在そのものと、

自由な生き方についての私の考えを記録する。

 

自分に関連づけて海賊の問題を熟考すると

自分も海賊のように自由な生き様に憧れるし

実際に夢を求め、海を渡ってきた身分である。

 

海を渡ったのは座席指定のマレーシア航空で

渡った先でタクシーに乗り、住居を用意してもらい

スタッフ達とは顔なじみで、みんなに頼りにされ

自分は自分がすべき使命を知っている。

周りの環境に適応できる言語能力もある。

 

ちょっと大げさに格好をつけて表現したが

私は本当に人や環境に恵まれ、海を渡ってきた。

何なら近日中に家族すら渡らせることになり

家族との時間さえ海外で作っていこうとしている。

 

悪質な海賊のことを慮る義理は何もないが

自由の代償」について考察するのに、

大海原を生きる海賊のあり方は参考になる。

 

もし、私が今と同じ夢(仮)

「世界に必要とされるエンジニアになる」

ということを、先述の実際とは全く異なる

状況で叶えようとするとどうなるか。

 

なけなしの金で何とか航空券を買い

マレーシアへ到着。現地のことは何も知らず

タクシーすら自由になれないので数日空港泊

何とか有り金でバスで中心地へ向かい、

すぐに仕事を探し始める。エンジニアの仕事は

すぐに見つからず、仕方なく料理屋で皿洗い、

夜は土木関係の仕事をしながらエンジニアの

職を探し続ける。住む場所や生活と収入の

バランスは拮抗していて、自由がない

もう疲れたと海を見たくなる、海賊船を発見

もうこの生活から逃れられるなら何でもします

と言って海賊船に乗る、強奪を繰り返す…

 

まぁ、そんな極端にはならないにしても

最初から自由度が低い場合、例えば陸にいても

望みがないような小さな島などでは

船を用意して、食うものや守るべき者のために

航海を始めるだろう。

 

出所不明だが同僚の曰く、海賊の一部は

インドネシアやフィリピンなどの社会的な

セーフティネットがマレーシアよりも未発達な

エリアから進出してきたもので、彼らは

自分たちよりも裕福な国の豊かさを餌にする。

 

それは決して人道的ではないのだが

先の例のように私が自分の胸に手を当てて

冷静に内省してみると、家族や自分の衣食住が

全く確保できないとなればおそらく手段は

選ばない。無論、仲間からの強奪はしないが

生きるか死ぬかとなったら生きる道を選ぶのだ。

 

しかし私や日本人たちにはリテラシーがある。

何も人に迷惑をかけなかったって守ってくれる

国や地域や同朋がいるのである。それは

日本人には当たり前だが、海賊にはそんな

有難いことは考えもつかない。有難いのだから。

 

海賊危ないから気をつけろよという知らせは

これは大変感謝すべきことなのであるが、

海賊を輩出する地域の温床はおそらく貧困だろう。

 

日本人は、本当にその貧困にたいする経験や

認知が足りていないと私はとくに自分を含め

よく感じることがある。顕著なのは外食で

ビールが冷えていないことへの不満や

宿泊先のシャワーの湯温・水量に対する不満だ。

 

一流を気取るなら勝手にしろと思うのだが

私は原則、何事もありがたいことなのだから

外部環境に不満は持たないようにしている。

 

原則あるところに例外あり、例外多数だが

エンジニアが技術で解決できる不満は歓迎だ。

その不満はエンジニアリングしてみようとなる。

 

エンジニアの仕事は彼らを罰することでなく

機械的に近づけないように仕向けることだ。

海賊船検知器や、海賊撃退器具など。

 

いずれにしても、船での渡航は控えよう。