ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0187_焦れという指示はない

「焦らずに自分のペースでいいよ。

   じっくりやっていきましょう。」

 

という言葉を、マレーシアに赴任した直後に

現地の副社長(日本人)から頂いたのが

2ヶ月半経って今も心に残っている。

 

私がマレーシア工場に赴任したことは、

(赴任以前に累計4ヶ月出張で来ていたため)

会社から見ては妥当で、私から見ても望んだ

人事だったので、赴任直後も全く不自由なく

勝手知ったる職場と仲のいい仲間たちとともに

何の苦労もなく渡航翌日から仕事は始まった。

 

その仕事の開始日に、無事に渡航ができ

スムーズに仕事が始まったことを副社長に

メールで連絡させて頂いたのである。

 

その返信で簡素だが頂いた言葉が

冒頭の言葉であった。私には数年の任期があるが

限られたものでなく、また短ければ半年

または1年というものでもないため、

2年は少なくともこちらで活躍できるだろうと

見込んでいる。たしかに、焦ってもダメだ。

 

しかしながら私がこの言葉にここまで

印象付けられたのは、私が逆の立場ならつい

「三年で得られる成果を君なら半年でできる」

というような"焦らせる"会話の技法を

よく使ってしまう傾向にあるからだ。

 

技術者の後輩たちと話をする中で、詰問とまで

言わないが明らかな理詰めをしてしまった時の

苦笑いの表情が何人も記憶の中にある。

 

私は何も相手を責め立てたいのではない。

しかし、納期遅延で入らなかった部品の遅れを

月曜日に聞いた時に「多分今週中に入る」

という回答は耳にゴミが入ったように血が上り

相手が言葉を締めくくる前に「今週のいつ?」

と冷淡に確認をしてしまうのだ。

 

逆に、時間的なことを相手から尋ねられることに

いつも気が利くので、簡単な仕事なら

何時までにできるか聞かれるまでもなくその場で

何時に終わるからその次は何をしましょうと

尋ねることができるのだ。これを日常的に

行うことで上司に重宝がられるし、

自分が都合であけてほしい時間や休暇も

訴求しやすい。自分の時間読みは相手の時間読み

を助けることもできるのである。

 

だが、本題はそこではない。

焦らずやろうという言葉をかけられるか、だ。

 

副社長は私の業務の出来不出来を監視して

いるのではなく、私が一定期間かけて出した

成果と現地子会社の成果を照らし合わせて評価

したいのだろうと気づくことができる。

 

日本的な長期的なものの見方であり、

ゆっくりしてるなぁと思う反面、仕事の速さより

成果の凄さがないと、自分の任期を通して

何をしたかということを語れないのだ。

 

三年間、与えられた仕事を早く正確に

出来ました。と言うならまだ代わりはいる。

 

三年間で前はこうだったことが好転し続けて

今はこんなことになってます。これは最高です。

 

そんなことを数年後に数字で語るには、

最初の数ヶ月の付け焼き刃の頑張りは

取るに足らないものになるだろう。

 

もちろん毎日コツコツ仕事を早く丁寧にこなす

気概も努力も必要だが、そこからTier2,3,4と

段階を上がっていかなければならない。

 

焦らず、休まず。大きな成果を目指して

気づきをベースに、お客や仲間を喜ばせられる

仕事ぶりを見てもらえるように研鑽し続けたい。