ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0269_エンジニアには細部が見える

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私は元々ニートだった。

技術者をやめてニートになった、ではなく

大学を卒業していわゆるブラック企業に就職し

身も心も削ぎ落とされ、夢が潰えそうになった

挙句、無計画に退職して、ニートになったのだ。

 

その時は、何も持っていなかった。

 

その後二度の転職を経験し

今は技術者になって、技術を持っている。

一流の技術者になりたいという想いもある。

 

さて、そんな私からはエンジニアの癖や

非エンジニアの詰めの甘さを客観視ができる。

 

今回テーマにしたいのはエンジニアには

細部が見えるという点だ。非エンジニアには

細部が見えてないというテーマでもある。

 

それを強く感じるのは、勤め先での

様々な場所の代表者が集められる会議だ。

工場の移転計画についての話がされていた。

 

技術者たちは慎重になって時間的・空間的な

計画をイメージするのに対し、営業や管理の

メンバーは口数は多いが抽象度が高いことがあり

技術者たちが顔をしかめたりするシーンが

多くみられたということだった。

 

どちらが良い、賢いという話ではないし、

私は自分を省みるとどっちの言い分も分かる。

 

営業や管理のメンバーは大義が大事で、

自分が動いている事実があれば一定数満足する。

一方で技術者たちは動く前に理屈を詰めたがる。

やらなくてはならないこと=自分の手を使って

自分で働くイメージをするのがエンジニア。

やらなくてはならないこと=担当者が責任を

持ってすべきことと捉えるのが非エンジニア。

そうな風に各部門の意見を聞きながら感じた。

 

幸いどちらも意見を尊重する雰囲気があり

"噛み合わない"という状況ではなかったが

これは人間関係でもよくあることだと感じた。

 

目の前がぼやんやりと見えている人ほど

さも鮮明な青写真を描き、語りたがる。

ものがくっきり見えすぎる人ほど、

見える情報に捉われて抽象的な表現を避け

口数、発言時間としては少なくなる。

無論どちらがいいかという話ではないが

違った背景を持つメンバー同士でベクトルを

合わせるにはそれぞれの特徴を知ることが大切だ。

 

一番良いのは、相手の目線に合わせることだ。

合わせられる技能を習得すること、としよう。

 

技術者にとっては非エンジニアの人が言って

いることが少々技術的に不鮮明でも最後まで

しっかりと聞いて、それから優しく解説をして

さしあげるということが相手に合わす流儀だ。

 

非エンジニアの人はモノの見方を少しでも

解像度を上げるために日頃から自分の見えない

フィルターの存在に気付いてそれを取っ払い、

"見えないものなどない"という信念を持つこと。

 

その両輪の歩み寄りがあれば

パーセプション(認知)がずれていても

相互に働きあえるということだ。

 

知識や経験の差においてもこれは言える。

ともかく私は非エンジニアで話し好きな人は

苦手で仕方がないが、昔は自分がそうだった。

 

過去の自分に歩み寄ることできっと、

あらゆる未熟さを認められるはずだ。