0239_疲れたあなたへ散歩の勧め②
バンコクから東へ1時間ほど行った田舎町で
約一週間滞在した。機械の納品のためである。
その間は起きてから寝るまでが同僚と共に。
同僚とは仕事の話が中心で、厳しい工期に
間に合わせるための弛まぬ努力と試練が続く。
"今日わからなかったことは明日までに調べるよ"
という役割は納品リーダーである私の仕事だが
これがめっぽう大変だ。仕事を終えて、
片付けをして、ホテルに戻る途中タイ料理を
食べ、コンビニに寄り、チェックインし、
シャワーを浴び、洗面所で洗濯をして、干す。
22:00かそれ以降、ようやく調べごとと業務日報
発信にあたるのだ。明日やろうは基本ない。
しんどくても割り切ってしっかりとやる。
このブログの更新は明くる日の朝の出発時間
までの暇つぶしに他ならない。
さて、疲れたあなたへ散歩を勧めます。
ということだけを伝えたいのだが、ここで
散歩の結果、実際に起きたことを記録する。
私が泊まったのはSUNEEVIEWというホテル。
平屋の連棟だった。建ってまもないような
水回りもレセプションも新しさを感じた。
レセプションから奥へ進むとカフェテリアが
あり、そこでは朝のコーヒーを自由に飲める。
前の日の夜に仕事や一切のすべきことを
済ませていた私は快晴朝7時ごろにその
カフェテリアへ行ってみた。散歩と言っても
ほんの50mほど敷地内を歩いただけのことだ。
しかしそれが異様に清々しく、奥には川があり
川沿いにあるベンチは川の縁までせり出ていた。
そこで気分良く家族と友人とをつないで
ビデオ通話をして気分をリフレッシュできた。
更に20分ほどまだ出発まで時間があったので
もう何もせずただ自然や空を見てぼーっと
していると、横から不意に、女性が現れ、
私にみかんのような果物を下さった。
彼女とカタコトの英語でいくらか話をした。
かなりカタコトの英語で、ジャパン、トゥ〜
と言っていたので日本へ二度行ったのだろう。
京都へ行ったことがあると言い、続いてナラ〜
にも行ったと言ってた。両手の人差し指で
ツノのような仕草をして何か表現している。
多分ナラ〜で鹿を見たんだろう。ディア〜だね
というと、少し強張った様子で何かジェスチャー
していたがそこからはもはやカタコトでもなく
ジェスチャー一本勝負だった。唯一聞けたのは
ファイブハンドレッドという言葉だったが
そのあと丸めて食べる動作だったことから
奈良で鹿に五千円札を食べられた話、か?
と微笑みながらカ〜ップとお伝えしておいた。
ともあれ、ストレスの中に気の抜けるような
ゆるい時間があるのが東南アジアの良いところだ。
みかんを食べていると結局出発時間の
ギリギリになって、同僚や代理店たちよりも
後からやってくる格好になってしまった。
頑張っていれば前に進むのは誰でもそうだが
その道中は悩みや不安でいっぱいだ。それでも
臆せずにやっていくには息抜きが大事だ。
ずっと頑張り続けていると、周りが気を遣ったり
自分が正しいという錯覚に陥ってしまったり
これらは私の経験談だが、とにかくいいこと
ばかりではない。息抜きをしながら動ける時には
早く正確に楽しく動く。これが肝心だ。