DAZAIFICの、ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0215_マレーシアの金曜日

マレーシアの工場で働いていると

マレーシアのルールに則ることがあるが

何より特徴的であるのが金曜日のお祈りだ。

 

彼らは、祈る格好をして昼にモスクで祈る。

なので、私が仕事をする工場でも周りの工場も

昼休みが2時間あるのだ。

 

私が19歳の頃、ヨーロッパをバックパッカーとして

旅をしていた時に見た、スペインのシエスタ

のような文化である。もちろんイスラム教徒たち

だけがモスクへ行くのであって、その他の民族は

とくに何もない。私も同様、金曜の昼休みは

少し遠出してゆっくり昼食をとるなどし

工場へ戻ると事務仕事をしたり掃除をしたりする。

 

もちろん、課されたのでなく、手持ち無沙汰なのだ。

たまには日本にいる家族とビデオ通話などするが

1時間もするほど家族も暇ではない。

 

さて、今回の主題、金曜日のお祈りについて、

出張中はどうなるのかという決まりごとと

私がムスリムと二人で金曜日に出張した

思い出を記録しておきたい。

 

まず、金曜日に出張していたらどうなるか

「ベースとなるモスクから90km離れたら

  原則戻らずに、簡素版の祈りをすればよい」

ということらしい。私とともに出張に行った

イスラム教徒のマル君(仮名)は、出張先の仕事中

私があれをしてこれをしてと頼んだことは

嫌がらずにどんな些細なこともやってくれる。

 

なので感謝と気遣いの気持ちを表したく、

せめて金曜日の祈りは満足にして欲しいと

客先での仕事を12時で切り上げて、

彼のための祈りの時間をしっかりと

確保してあげようと彼に打診したのだ。

 

ところが、「アハハ大丈夫だよ、出張中は。」

とまるで問題のないような回答だった。

彼からその90kmルールを聞いたのはその時だ。

 

ちなみに、一日5回の祈りも、日中の2回は

コンバイン(繋げる)して1回短縮版として

祈ればそれで良いとのことだった。

 

私はいずれにしても12時で切り上げるつもりで

そこからじゃあ本拠地へ帰ろうとなり、

またマル君の運転で高速道路を南下した。

 

途中、「次のR&R(サービスエリア)で祈るわ」

と言い、給油の後に彼は高速道路のガソリン

スタンドにある、150平米ほどで男女に別れた

トイレのような平屋の簡易お祈りスペースへと

歩いて行った。私はすることもないので

Tealive(ティーライブ)というタピオカミルクティの

チェーン店で、私の分とマル君の分の飲み物を

買い、車で飲みながら待機した。

 

長い間ずっと運転をしてくれていたので

そのR&Rから自分たちの工場までは最後に

私が運転することと、タピオカ入りのココアを

この出張中のお礼にどうぞ飲んでくれ、と

祈り明けの彼に差し出すとえらく喜んでいた。

 

これは蛇足だし、良い行いかも分からないが

イスラム教徒たちは酒を飲まない分、日本的な

飲ミュニケーションが取れない。

せっかく出張へ少人数で行き、交友を深めたくても

地方都市ではマクドナルドで晩御飯を済ませたり

ゆっくり飲みながら同僚の話を聞いてあげ、

先輩が飲み代を出す、というような習慣は

やりたくてもやりようがない。

 

おれがおかわりのコーラ代出すよ(約10円)

といったところでむしろへんな空気になるだけだ。

 

なので、私は自分が好きなバブルティー

飲みに行こうと誘い、隙あらばここは

僕が出すよと言ってご馳走するようにしている。

 

これはお金の問題ではない。私は日本的な

美しい文化を彼らにも感じてほしいのだ。

 

マル君は自分は運転も仕事も当たり前のことを

したまでなのにとはにかんでいたが、

それが私には代えがたいほど有難いのだ。

 

ともあれ、ムスリムと出張となると

食べることも祈ることも彼らを尊重することで

日本にはない生活や精神を身近に感じられる。

 

観光地に来ただけでは決して味わえない、

また日本人だけで群れているだけでは知り得ない

敬虔でミステリアスなイスラム教文化が

とても親しみやすい距離にある、私の境遇は

アッラーからの贈り物なのかもしれない。