0100_エンジニアとはどんな人か
100回記念だ。
目標の1000件まであと900記事。
最も訴求したい内容の一つを記念に残そう。
エンジニアという言葉がある。技術者を指す
言葉であり、Wikipediaによると"工学に関する
専門的な才能や技術を持った実践者のこと"だ。
エンジニアの対義語を私は知らないが、
"技術がない人"は皆エンジニアではないか
というとそうではないと思うので、今回は
私が定義するエンジニアについて記録する。
エンジニアは職業のように用いられることが
多いが、私の見方では小学生や主婦など
いわゆる工学や技術に関連しない属性の人の
中にも立派なエンジニア気質を持つ人が多い
と見ることができる。
逆にいうと、立派に大学の工学部を卒業し
日本の技術産業で長く仕事をしている人の
中にも、エンジニア失格の人もいる。
エンジニアとは、"主観を捨てて物を見られる
ことのできる人種"であると私は考える。
先日こんな40代同士の上司と部下による
以下のような聞き苦しい問答を耳にした。
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XX氏(上司)
遅れている仕事のことで相談。
入荷が遅れている部品の取付を後回しにして
それ以外の部品で機械組立を進めておいて、
入荷遅れの部品が届き次第取付るのはできる?
YY氏(部下)
…それはお勧めできません。
XX氏
お勧め度合いがどうかでなくて、出来るのか
出来ないのか、YESかNOかで答えてよ。
YY氏
YESといえばYESです。
しかしNOといえば、NOです。
…
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漫才の練習でもしてるのか?と感じた私は
「遅れた部品を入荷日まで待ち続けた場合
発生するロスは3日、約20時間です。
先に出来ることをしておいて、後から入荷した
部品を取り付けるのに戻る作業ややりにくさ
などで発生するロスは3時間程度、2人でやれば
2時間ほどでできます。」と説明した。
YES、NOはもちろん主観によるもので、
お勧めとかどうかも同様、ものづくりの場で
これらを多用する会話はスマートではない。
片一方がアドバイスを求めている場合などなら
お勧めや出来る出来ないで表現して良いが。
そして、エンジニアに"できない"はない。
私が言いたいことは、工程(時間)や原価(お金)
のことで技術的にゴールを見つけていくのには
数字で議論することが大前提だということ。
やりたい、やりたくない。や、できる、
できない。は主観が入ることなので、感じる
のは自由だが、エンジニアにはやりたくないも
できないも元々持っていない着想なはずだ。
できないことや、やりにくいことを簡単に
できるようにする技術者。それがエンジニアだ。
なので例えば家庭料理に研究心が働き、
自分の美味しいまずいという主観を捨てて、
同じ舌を持たない相手の好みに合わせて
料理を段取りする、または無駄をなくしたり
一週間分献立を立てて買い物して費用を
予算内におさめる、栄養価の目標を立てて
食材ごとの個性を生かしたメニューを考える
など、私は妻がやっている炊事にかかる活動は
全てエンジニアリングだと捉えている。
機械作りや公共事業、ITビジネスだけが
エンジニアリングではない。掃除や洗濯など
家事全般もエンジニア気質を高める要素は
盛りだくさんだ。居酒屋店員ならどうか?
店に飾っているポスターや張り紙を
寸分の狂いもなく地球に対して垂直平行に
貼ったり、席の間のピッチを最も居心地の良く
スタッフも仕事がしやすい寸法で固定したり
お客さんの声量を計測して、店内で流すBGM
の音量をコントロール、夏冬でどう変わるか
データ取りしてマニュアル化する、など
それの成果はそれぞれあるだろうが
エンジニアでいられない理由はない。
もちろん、真心こもったサービスと笑顔に
ついては自分のマインドセットを朗らかに
保つためのエンジニアリングが要るだろう。
私は日本人で、エンジニアだ。と
海外で見知らぬ人に会った際の自己紹介で
必要に応じて表現するようにしている。
パリ出身のパン屋や、モンゴル出身の相撲取り
と聞き期待、なぜかしら期待してしまうように
日本人には兼ねてから流れるエンジニアの血が
あると私は信じている。それを耕して
発信するのが私の喜びの一つである。
世界で戦うかどうかはさておきだが、自分の
こだわりや優しさを、形や数字で表せるよう
主観を捨ててエンジニアリングしてほしい。
結論、
エンジニアとは、"主観を捨てて物を見られる
ことのできる人種"であると私は考える。
できる限り様々な業種のエンジニアと出会い
美しい創造をして人生を楽しみたい。