0092_回覧、さっさと回してますか?
事務職でも技術職でも、社内回覧の
紙情報を回す企業は少なくないはずだ。
見たら名前にチェックをしてまだ見ていない
人に渡す、というような連絡手段のことだ。
持ち家の方は自治体や組合などが
回覧板を回すこともあるだろう。
ペーパーレスのこのご時世に消えゆく
文化だろうとも思う。
今回は回覧を回すスピードが一定数
その人の頭の柔軟さや、組織の風通しに
関係しているのではないかという推論の記述。
私の勤め先では知財関連のニュースが、
約20人ほどのグループで毎月回覧される。
出張へ行くメンバーや休みを取るメンバーは
少ないので、通常、一日あれば全員に回る。
ところが、この回覧、1人でも誰か滞留させ、
回るのが遅くなると後の人もつられるのか
めっぽう回るのが遅くなるところが面白い。
回覧を回すのに私が識別するところ2パターン
の人がいて、①ちゃんと読む人②興味ない人
この大きく二種の部類があると推察する。
そして、ざっくりと回すのが早い人遅い人
(せっかちな人、マイペースな人)の差もある。
なのでこれを組み合わせると、
①回覧をちゃんと読んでさっさと回す人
②回覧をちゃんと読むが回すのが遅い人
③回覧をほとんど読まずにさっさと回す人
④回覧を読まないのに回すのも遅い人
という4つのタイプに分かれるのだ。
仕事が早い組織は①と③のタイプの人が多く
仕事が遅い組織は②と④のタイプの人が多い。
この②④のタイプは(気のせいかもしれないが)
回覧自体が回ってくる順番が遅くなる傾向に
ある、私が工場内で観察していて気付く。
最初に回覧が渡る人は③か①が理想だ。
回覧の内容を読まずに回すなんてありえない
というのが正解か。はたまたみんなでやってる
情報伝達を1人が止めるのがありえない、が
正解か。組織の目指す姿や回覧される情報の
質に寄るところだろうが、読むことが任意で
読まなくても業務に差し支えないようなものは
受け取って即座に回す方が賢いと私は考える。
どうしてもじっくり読みたかったらスキャン
して保管するか、ちゃんと、読んでいる人や
回覧情報を作った人に内容をフィードバック
してもらうかを選べば良い。
ただでさえマルチタスクなこの経済社会で
情報伝達に大切な時間を割くのは惜しい。
誰かが結婚したとか出産したとかいうことも
大勢の業務を止めてまで連絡することでは
ないと、ものづくりの現場では考えられる。
いつでもアクセスできる掲示板か、部門ごと
などで行われる朝礼で周知すれば良い。
回覧の価値をそもそも考えず、のんびりと
回している人がもしいたら、私のように
せっかちで、真っ当な速度と正確さを好む
厄介者に影から睨まれているかもしれないと
自覚して頂きたいものだ。
他方で、回覧板ような簡素な情報からでさえ
想像力を働かせて組織や地域の活力に変えたり
自分の役割から前向きなアプローチを思い
描けるのであれば、日頃から物事に前向きで
建設的である証拠であろう。
逆に、単なる連絡に対して批判的だったり
ネガティブな想いを持ってしまうのであれば、
それはほとんどの確率で考え方が歪んでいる。
歪んでいるのを知ってまっすぐ正す機会だ。
私も神経質に細かい改善や工夫を追うことで
ついのんびりした態度や段取りの悪い姿勢に
ネガティブな想いを持ってしまうことがある。
回覧一つでも、置いたまま目もくれない
作業者の様子を見ると早く回しなさいと
苦言を呈したくなるものだ。
誰でも悩んだり疲れたり何か科学的根拠の
もとに思考停止状態に陥ることはある。
それを汲み取ってしっかり正しい軌道に
引っ張りこむようなリーダーシップを持ち
仕事に励みたい。回覧一つでうるさい内容
だが、分かる人には分かってもらえるはずだ。