ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0106_2019年の誕生日の記録

幼稚園通いの4歳の娘は、毎日給食を食べて

すくすく育っているが、週に一度お弁当の日

ある。毎週水曜日だ。私の妻は私には毎日

美味しいお弁当を作ってくれていて、

私はお弁当を楽しみに仕事に励んでいる。

 

娘の楽しみ度合いと言ったら私の比ではない。

なぜなら、お楽しみのデザートと称して、

弁当箱とは別にフルーツの入った小さな

容器を添えてあるからだ。"キャラ弁"などに

安易に手を出さない現実的な妻だが、

立派に彩りや栄養価を考えており、見栄えも

味もかなり満足な内容である。

 

娘は、そのお楽しみのデザートに何が入って

いたのか、お友達に紹介しているらしい。

その日は黄桃(缶詰)だった。それをなんと

床に落として全て食べられなくなったらしい。

 

妻が幼稚園から帰った娘から話を聞き、

娘はみんなの前では泣かなかったがかなり

悲しくて、思い出し泣きをしたらしい。更に

家に帰ってきたら食べれると思っていたらしく

家にはもうないと言うとむせび泣いたそうだ。

 

他人には優しくしなさいとしつけているので

おそらく娘は誰かが誤って落としたのなら

思い出して泣いたりしないだろうから、

自分で楽しみにしている桃を落としてしまい

悔しかったことが私には微笑ましかった。

 

なので、その日は仕事終わりにスーパーで

缶詰の桃を買って帰った。帰宅後すでに

娘は眠っていたので、翌朝に渡すこととした。

 

その翌朝というのが、私の誕生日だったのだ。

娘は目がさめるやいなや、パパの誕生日!

と言って嬉しそうに起き、何をするでもないが

喜んで起きてきた。私が桃の缶詰のことを

思い出して、昨日は辛かったでしょうと

話すと、やはり覚えていて顔を曇らせて

桃が食べられなかったことを話してくれた。

 

実はプレゼントがある、と言って、

缶詰を渡すと娘は握りしめて大喜びした。

そして、私にこう聞いたのだ。

「プレゼントって夜じゃなくてもいいの?」と。

何のことだか分からなかったので

いいよと答えたところ、娘は寝室に戻り

何やら手作りの封筒を持ってきて、

これが誕生日プレゼント!と言って私に

渡してくれたのである。封筒を開けると

そこにはプラ板で手作りされたしおりが

入っていたのである。これには思いがけず

嬉しさで言葉を失ってしまった。

 

私は読書時間を何とかして週末に持ちたく、

娘にドラえもんを見せたり絵を描かせたりして

一人遊びを推奨しながら本をよく読んでいた。

 

しおりは何個か持っているが、読んでいる本が

何冊もあることが多く、気がつくとレシートや

新幹線の券などを使う習慣になっていた。

 

一冊一冊丁寧に熟読するのが好きな妻は

その雑な読み方やほしい本が次から次に

購入され積まれていく様子をいつも訝しむ様子

で、私も少しきまりが悪いなと思っていた。

 

妻は少なくとも読書にはちゃんとしたしおりを

使う方が様になると思い娘に提案したそうだ。

 

現在私のカバンには拓徹著「インド人の謎」

という文庫本と、その中には可愛いハートや

花やニコニコした顔があしらわれたしおりが

入っている。本の読み方はこれからより

丁寧にしたいし、娘と遊びながら本を読むのを

少し控えて、ちゃんと向き合って遊んであげて

読書は読書で一緒にできる時間を持ちたい。

 

妻や娘には、あまりお金に余裕がないから

プレゼントは遠慮するよと言っていたため、

お金も時間もかけずに私の潜在欲求を満たして

なおかつ思い出に深く残る贈り物をしてくれた

ので、心から感謝したい。

 

相手が困っていることや、本当はこうすれば

いいだろうということに自分の力を注ぐのは

簡単そうで簡単ではない。主観が強すぎては

ありがた迷惑になってしまうのだ。

 

少なくとも我が家はその主観と客観をうまく

捉えてお互いにいい距離感を保っている。

 

ちなみに、海外でのバレンタインデーは

男女関係なく大切な家族や友人に花を送る

ことがあると聞き、妻に花を贈ろうと決め

帰りにSEIYUで白い花を買い、妻に渡した。

 

事前にリクエストしていた夕食と、手作りの

ケーキをご馳走になった後、紅茶を飲みながら

33歳の抱負は?と聞かれたので

もう33歳だから。常識ある大人になることだ。

と特に笑いを取るつもりはなく普通に答えたが

 

沈黙の後に妻は「この花、菊だけど」と。

祝いや感謝の気持ちで人に菊を贈るのは

賛否両論らしい。こんなに綺麗な花なのに。

 

"常識を疑って真意を体得する33歳"にしよう。