DAZAIFICの、ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0131_パスポート忘れました。

2019年4月1日、

夢の海外駐在への旅立ちの朝の記録。

 

よく晴れた空のもと、そして万全の準備と

家族の見送りを経てタクシーに乗ること5分、

 


パスポートを忘れたことに気がついた。

 


こんな危なっかしい話をここでお伝えして

何になるのか自分でも分からないが、

失敗こそ何にも代え難い教訓であると

今までも、未来にも捉えて生きてゆくので

旅を生業にする私にとってこの内容は

人生で最も語りたくなる出来事の一つとなる。

 


京都市在住で、過去に海外へは50回は行った

私にとっての最も効率的な手段は、MKスカイ

ゲイトシャトルである。MK様に旅を支えられて

私は安全に旅をし続けてきたのである。

 


MKスカイゲイトシャトルは、自宅までタクシー

で迎えに来ていただき、京都で高速に乗る前に

他の方と乗合になり空港まで送って頂ける

そんなサービス内容だ。費用は片道4000円

以上するが、私はほぼ全ての旅を任せている。

 


サービスとして気に入っているところは、

電話予約(ネットも可で割安)で便名を伝える

それだけで自宅まで迎えに来る手はずが済み

駅まで移動しなくて良い、また荷物も

自宅で車まで運ぶとあとは運転手さんが

快く関空まで積み替えも含め対応頂けて

自分は朝起きて家を出れば良いだけなのだ。

 


私の考えでは、車移動の方が電車移動よりも

リスクが高いことは承知しているが、その

リスクを考えるよりもMKと紡いできた旅の

歴史に信頼があるので、今は全く心配ない。

 


出張時などは自宅を出てから目的地に到着する

までに余計なエネルギーを使うのは避けたいので

自宅発から空港までは、省エネモードだ。

私の場合、空港で最初の15%は必ず消費する。

携帯電話で例えれば着くころに電池の残量が

残り30%になっていれば心配になる感覚だ。

 

空港での15%消費は別でテーマを設けよう。


50回行ったからといって、旅行のトラブルを

ゼロにできるかといえば、それは違う。

ゼロの時も増えたが、思いもよらないトラブルは

起こるのだ。ロストバゲージや到着便の遅延、

タクシー運転手の不慣れ、宿泊先での言語対応

などは行ってみてから楽しんで力を発揮したい

ので、やはりフル充電で到着が望ましい。

 

私の場合、まず人としてどんくさいので、

携帯どこやっけみたいなことは常にあるのだ。

なので、無駄なエネルギー消費が常にある。


話はそれるが、私はよほどの疲労が伴わない

限りは移動で寝ないのだ。体質的に寝られない。

 


なのでどこでも寝られて充電できる方は

参考にならない話だが、どこでも寝られないし

海外は疲れるという方にはオススメするのが

MKであり、朝一杯の白湯であり、省エネモード

でフライトを迎えるあらゆる工夫である。

どんくさくても、経験から学べば大丈夫だ。


話をパスポート事件に戻そう。

今回もMKさんは予定時刻の3分前には到着し、

滞りなく旅の始まりを迎えて下さった。


いつもと違い、線の細い若い女性の方で、

今までの分布はベテラン男性が多かったため

もしかして英語力で競い合う相手がいない、ブルーオーシャンを見つけてキャリアを形成

しようとした賢明な方かな?と初見で感じたが

30kgのスーツケースをハイエースに積み込むのを

任せるのが少し戸惑ってしまった。

そこはやはり男性として女性を助けたかった。


ともあれ、無事に出発ができ、自宅から

高速道路までの5分ほどの間に、ピンときた。

パスポートと財布があれば他に起きる全ては

自力でなんとかしよう。今一度再確認だ、と。


財布はある。パスポートケースも19歳から

使い続けているものがやはりある。しかし

そこで気がついたのだ。パスポート自体を

確認していない、と。無論、旅の経験上、

パスポートケースにパスポートを仕舞って

いなかったミスなど今までに一度もない。


しかし、ピンときたその時点で凍りつくような

恐怖が、私の手から血の気を引かせていくのが

はっきり分かるものの数秒間であった。


そして、国際運転免許証が入っていて、

パスポートがないことがその時判明した。

なぜかは未だに分からないが、パスポート

そのものを確認すれば気づけたあやである。


ちょうど自宅を出て最初の信号で停車した

時だったので、すぐにその事を丁重に詫びつつ

自宅まで戻って頂けないかを相談したのだ。


運転手さんも他の乗客もあまり剣幕にならず

自宅へ向かい始めたのであるが、5分進んだ

だけなのに戻るのは10分も要してしまった。


本当に大きな自責と不安感が胸を締め付ける。

なおかつ、長らく国外で住むことから

携帯電話は解約したばかりだったのだ。

妻に急いで連絡をすることもできない。


乗客は私を含め5名で、1人は幸運にも爆睡。

2人は40代カップル、旅行だろう。2人とも

自分のパスポートを確認し安堵されており

とても心の優しい方であることがうかがえた。

最後の1人は片耳にイヤホンをつけており

私がバスに乗り込んだ際おはようございますと

挨拶をしても目を合わせず無視した方だった。


自宅へ引き返す戻る最中に、堪り兼ねて

一呼吸おいて、「皆様申し訳ありません」

とお伝えしたのだが誰も反応はなかった。

私が逆の立場でも「大丈夫だよ!」とは

言わないだろう。海外ならIt's OK friendと

言うかもしれないが。慇懃な沈黙が金、だ。

むしろ、大丈夫ではないのだ。


自宅までの最後の信号停止で私は運転手さんの

携帯を借りて妻に連絡をした。パスポートを

忘れたからいつもの場所にないか見てほしい

間もなく着くから家の鍵を開けてほしい、と。


自宅へ到着すると、私は大急ぎで車から玄関まで

走った。走っても何にもならないが、

同乗する方の気持ちを考えると、走らずには

いられない。ドアを開けるとパスポートを

持った妻と娘が立っていた。そこでもう一度

大丈夫?いってらっしゃい。と言ってくれ、

ハグでもしたかったがありがとうとだけ言い

再びMKのハイエースに乗車した。


借りている賃貸住宅の大家さんがたまたま

軒先におりすれ違ったが、余裕がなく立ち止らず

行ってきます!と声をかけただけたった。


あとは、大きな問題はなく、関空まで安全に

旅は続いていった。もしこれに輪をかけて

渋滞や車のトラブルがあったならば旅は

私によって私以外の方にとっても不運なもの

となったに違いない。関空へ予定時刻の通り

到着した時には、初めて海外へ行った日のような

遠くへ遠くへ来た初心が蘇った。

 


そう、私は50回旅がしたことがあっても、

1回目でパスポートを忘れなかった者より

愚かで旅が下手なのである。初心は大切だ。


朝からエネルギーを使い果たすことや

意気消沈してしまうほどのトラブルではなく

本当に周りにある人や物の全てに感謝しようと

心の底から思えたことは良い機会となった。


人間には忘却曲線があり、時が経つにつれ

どんなことも忘れる方向へと向かう。

特に旅をすると一瞬一瞬がかなりの刺激で、

失敗したことや学んだことも忘れてしまうのだ。


それでも、このパスポートを忘れた一件は

決して忘れない。更には岸和田あたりで見た

桜の花や晴れた朝の関空の連絡橋の様子など

忘れがたい情景も心の中に残すことができた。


また、新しい旅が始まるのだ。

マレーシア駐在生活。がんばろう!