0209_マレーシアの部屋探し②
マレーシアで家族を迎え入れて過ごすための
部屋探しの記録。前回に引き続く。
マレーシアの部屋探しを通じて
結果的に学んだのは、誇大広告が多い。
日本なら公取の存在など、事業に嘘はつくべからず
という文化がありそれを投げ手も受け手も
良識として心得ているため、マレーシアの
ネット上の写真には簡単に騙される可能性がある。
築10年の物件で写真だけ新築時の場合、など
集客を目的にした情報の美化が甚だしい。
次に気をつけるべき点として、家賃は交渉可能。
交渉のためには交渉の材料を用意して、
その材料をいきなり出さずにまずは交渉すべし
という点である。マレーシアに限らず、
の多くは、部屋によって内装や設備が異なるので
横の部屋はいくらだ、という考えが及ばない。
なので部屋そのものの価値を正しく見定めて
同等の環境や広さ・設備で賃料が安いところと
高いところはまれにある。
感覚的には1000sqf以上2000RM以上の物件
なら50〜100RMを目安にどの物件も
交渉可能だろう。次に契約期間を2年にして
200RMにするとか、すぐに住み始めるから
扇風機とヘアドライヤーを追加して欲しいなど
家主の安定した家賃収入とバランスしやすい
交渉材料を見つけること。あとは嘘もあるが
この物件は来週にも内覧があるという情報を
一旦信じて、気に入ったところは早く契約する
ことだ。
日本のように手付金と重説さえ押さえれば
原則すぐに失うことはない、ということはない。
契約書と保証金の入金がほとんど必須条件だ。また迷っている時間が長いと、生活の生産性が
落ちる。住めば都と捉え、直感を信じるのだ。
最後にゴミ捨て場のルールや駐車場の区画、
鍵は何個あるのか、なくしたらどうなるか
エアコンの内部清掃は入居前にしてくれるか
など契約をする前に細々としたことを
不動産営業マンにどんどんぶつけていくのだ。
骨太の営業マンは無難な回答をすぐにくれるが
腰の弱い営業マンは回答が遅く、具体性に欠ける。
日曜の昼飯時を狙ってあえて簡単な質問を
することで私は相手のプロ具合を見定めた。
結果的に4人しか営業マンと会わなかったが
時間に余裕があり範囲も自由なら20人でも
30人でも相談し最高の営業マンを見つけただろう。
実際、営業マンに多く会うことは、他の営業マンの
言葉の信憑性を確認する行為にもなる。
疑いは信用の燃料なのだ。フィードバックが大事。
強くしなやかな営業マンならば2回会えば
この人になら任せられると気づくはずだ。
その営業マンを見つけたら、あとはその人に
とことん物件を探して貰えば良い。
心配しなくとも移り住めば何か不具合はある。
ちょうどが悪くドアがきしんだり、蛇口から
茶色い水が出たり、隣人が廊下に私物を置き
見栄えが悪かったり。何か絶対にある。
しかし何かあった時に言い訳をしなくて済む
ように、蛇口は全てひねりドアは全て開閉し
隣人の様子も廊下と窓から問題ないか見るなど
10秒の確認を無数に励行するのが部屋探しだ。
他人に与えられる環境が嫌だ、と言いがちな
人間なので自分の責任で選ぶ感性は鋭い。
本当にいいのは過度に拘らず、何が起きても
大切な誰かと住めることだけに集中し感謝する、
人間の温かみに終始した家探しだろう。
…
いや、やはり納得できない。そんなのは羊だ。
野菜売り場やスーツの店などでは羊でもいい。
不動産選びだけは狼の姿勢を忘れずにいたい。