ガツンとゆるい所感

機械工であり、二児の父であり、世界20カ国で遊んだり仕事した旅人がお送りする、仕事や生活での気づきや学び。毎朝7:30に更新していき、1000件を目標に記述を残します。

0319_ウォートン流VSある少年の夢

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読んだ本からの自分の中での気づきと、

時間さえあれば本屋に行こう、という話。

 

マレーシアでハリラヤ(断食明け休暇)期間中に

下記の二種類の書籍を読んだ。

 

①ウォートン流人生の全てにおいて

 もっともトクをする新しい交渉術

 (以下、ウォートン流とする)

 

②ある少年の夢

以上。

 

いづれもいわゆるビジネス書、

ノンフィクション作品である。

 

簡単にそれぞれの特徴を挙げる。

①ウォートン流

 表題の通り、"交渉術"についての

 実践的事例や考え方の共有をする洋書

 「何事も交渉が大事、ではどうするか」

 という、読みやすく、実践しやすい、

 典型的な、示唆に富む一冊。

 

②ある少年の夢

 京セラ創業者の稲盛和夫さんの伝記。

 幼少期の頃からの記憶が描かれており、

 京セラの年ごとの具体的な実績はもちろん、

 どんな幹部が、社員が、どのように成長し、

 また壁にぶつかったかが描かれている一冊。

 

どちらが好きか、と人に尋ねられると、

私はウォートン流を今まで適宜読んできたので

ウォートン流かな。と答えるだろう。

 

子育てについても、旅行についても応用できる

術なり考え方が身についたことに感謝するからだ。

 

そして「ある少年の夢」正直に言って

買ったはいいが、読み進める興味が湧いて来ず

"積ん読"の一冊だった。ところがマレーシア駐在

という機会に持って来れる本の数に限りがある

中にも、無意識に持ってきた一冊だった。

 

2020年5月末の時点ではこう感じる。

ここ数年、必要に応じて"何度も"読み、

"実践"し、その試行錯誤から何かしらの"成果"を

得、"恩"を感じてすらいる、ウォートン流。

揺るぎない大切な一冊に変わりはない。

 

しかし、「ある少年の夢」から受けた、

"自分の内からほとばしる仕事への熱意"は、

ウォートン流を読んでいて得られないものだった。

 

休暇を利用してじっくりとこの本を読んだ。

この後に、おそらく困難に差し掛かった時に

対応できる心の強さがもし自分にあるとしたら

それはウォートン流ではなく、ある少年の夢

から受けた感銘に起因すると私は考える。

 

今、悩んでいることは、幸にして少ない。

悩んでいると視野が狭くなるので、今までは

悩む中での時間潰しに、ウォートン流を読んで

来たのかもしれないと感じている。

水際の対策をしてきた感覚だ。

 

ある少年の夢を読んでからウォートン流への

恩義や感謝が揺らいだのではない。何度見ても

"これからも交渉ごとを大切にして人生を

より豊かにしよう"と思えることに感謝する。

 

そこにさらに、加えて。凄まじい疑似体験を

読書からできたという意味で、ある少年の夢は

今の私にとってとても意義深い一冊だった。

 

総じて言えるのは、学者やインフルエンサー

と呼ばれる方々の発信は整理されていて、

手に取りやすく学びやすい。うまくできている。

 

しかし、ものづくりに苦心する私個人にとって

かけがえのないメッセージの発信元は、

"ものづくり企業を自分で築いた生身の人間"だ。

 

「なんだ、メーカーの創業者の本を読むのが

こんなに面白いことに、メーカーに勤めて

8年も経つのに気がつかなかったのか」と恥じる。

 

それはよく考察された下町ロケットでなく、

松下幸之助名言集でもなく、創業者が生まれて

からどう苦難してどう突き進んで来たのか

に焦点を当てたものであればあるほど、

今の私を突き動かす力になるだろう。

 

誰でも、なんらかの"業界"に属したり

"師匠にしたいが、遠すぎる、偉大な存在"

というものがあるはずだ。

 

横から来る誘惑や安直な学びへの勧誘は無視して、

上を。天のように高い"誰か"を見て進もう。

偉大なる内省に読書で近づけるのだ。

 

日本の本へのアクセスが悪いマレーシアに住み、

帰国が禁じられている私でもできることだ。

 

日本にいる日本人ができないことではない。

本屋に足を運び、偉大なる一冊に出会うのだ。

 

過去に買ったピンと来る本は、いつか必ず

自分を救うことになる。躊躇わずに本を買い

忙しさに負けずに本をたくさん読んで生きよう。