0246_旅行の報酬は旅行
仕事の報酬は仕事である。
残した有名な言葉であるが、私はこれについて
当てはまってカッコいい人間は2種だと思っている。
・20代前半までの闊達な勤め人
・年齢問わず、事業主の人
それ以外の人は、役人なのか勤め人なのか
課されたものをクリアしたらまた何かを
課されるという、いわば主従関係だ。
業務日報の所感でかっこよく仕事の報酬は仕事。
と書いている同世代の同僚を見て、
志士として恥ずかしくないのかと思う一方
私も口には出さないが同じ境遇だと感じた。
私の、ガツンとゆるい所感はこうだ。
"旅行の報酬は旅行である。"
今の仕事の何が一番気に入ってますか?
ともし聞かれたら、エンジニアであることや
待遇や、古風で自分に合った社風、粋な仲間
などではなく、旅行の報酬に旅行ができること
と答えるだろう。これは事実だ。
ほっぺたをつねって痛いので夢ではない。
私は仕事で1週間から10日間ほど出張する。
その間は本当に苦しい時もある。食事面、
衛生面、仕事量、異文化、不確実性…などが
長い期間に渡って仕事の安直な成果の邪魔をする。
たとえば輸送中にネジ一本緩むと問題に。
機械が扱う商材にダメージがあれば問題に。
枚挙にいとまがないほどの問題と向き合う。
その間は家族ともまともに連絡が取れず
また電波がない田舎では助けを求められない。
しかし、その出張の後には土曜や日曜に仕事を
した分の代休が取得できるのだ。
これを使って私は平日も旅行をする。
体力の回復には時間がかかるため、いつまでも
このキャリアが続くとは考えられないが
海外で暮らす家族との絆を強固なものにしたい
私と、私がしたい旅行、そして家族にとって、
どこか楽しいところへ連れて行ってくれる父の
存在は、旅行ということを日常によく考える
これからの世代の生き方と合致している。
一箇所にとどまって、そこがたとえば京都市の
ように世界中から優秀な人が集まり、知恵や
技能を共有し合えるところだとしても、
自らが自由に外に飛び出す刺激には勝てない。
旅をするかしないかは個人の裁量だが、
事業家にせよアスリートにせよ、勤め人にせよ
一流と称される人は皆旅が必須だと思う。
その旅がチャンスを潰すものや、嫌な機会で
あっては、自由な世の中なのにもったいないし
外に出て反省することは自分の資産になる。
旅行の報酬は旅行。苦労を伴う技術者の旅行と、
自由で人生を彩る一個人の旅行。これをうまく
織り交ぜて人生を豊かに。見識を広め続けたい。